田幡の知恵

毎月1回、税務や労務に役立つ情報を更新しております。是非ご一読ください。

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今月のコラム

年始のご挨拶

 明けましておめでとうございます。希望溢れる新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。

 本年の干支(えと)は乙未(きのと・ひつじ)です。例年に倣い陽明学の碩学、安岡正篤先生の干支学に乙未が教示するところを尋ねます。

まず、干の「乙」は、春のはじめ、草木の芽が伸びようとして外の寒気の為に屈まるように曲がりくねって生え出す形、或いは、糸かせの糸がもつれて、上下より手を加えて糸の乱れもつれを解き整える形を表しており、改革や新しく事を進めようとして困難・抵抗に遭い、思うように進められない苦労が伴うが、焦らずに道理に則り根気よく整えまとめることを示しています。

 一方、支の「未」は、木の若い枝が上に向かって長く伸び、茂りゆく形を表わしており、枝葉の繁茂が囲りを暗くするので、木の生命・活力を保持し不必要な枝葉を剪定して明るくするという意味を持っているのだそうです。

 以上から乙未の干支が教えるところは「本年は経済活動においても、時を経て時代に合わなくなったものを片付け、要・不要を分別し、末節にとらわれないで思い切って整理刷新する決断と努力が求められる。これには困難を伴うが、あくまで自信を持って忍耐強く事を進めれば成果を得る年である。」という解説です。

 さて、安倍首相は昨年11月17日の経済成長速報で第3四半期のマイナス成長が発表されるや否や2015年10月予定の消費税増税(10%)を一年半先送りするとともに、急遽「アベノミクス解散」に打って出ましたが、「真の理由」が国民に隠されたままの解散総選挙でした。

 現在日本はGDPの約240%の債務(1200兆円)を有し、断トツの世界一です。世界一安い消費税8%の日本が世界一の債務大国であるのに、2%の値上げで10%にも出来ないようでは、世界に信用を失い取り返しのつかない代償を支払うことになりかねません。

 目先の苦痛から逃れようとしてきちんとした治療を避けていれば死に至る大病を患うことになるのは誰もがわかっていることですが、議員定数の削減に手をつけず、また、一票の格差で「違憲」判決を出されながら一向に是正しようとしない覚悟なき政治家が、国民に負担の増大を説得することなどできないということなのでしょうか。

 いずれにしても、皆様におかれましては、「景気や政策が悪い」「業種・業態が悪い」などと被害者意識に凝り固まった他力本願タイプの覚悟なき事業経営者にはなりますまい。景気は与えられるものではなく、自らが創るものですから。

 田幡会計事務所は今年も皆様からたくさんの「ありがとう」をいただけるよう、所員一同心新たに力を合わせて頑張ってまいります。一層のご支援を賜りますよう宜しくお願いいたします。

田幡 民生

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